なぜこの場があるのか。参加する方に最初に一度読んでいただきたい文書です。
版:2026-08-24
SUIMOW(スイモウ) ── 宣言文
この場について
日本の上下水道は、設備単体で見れば世界でも指折りの水準にあると、私はこの領域の現場に身を置いてきた立場から考えています。高度経済成長期に急ピッチで整備された設備を、更新と改修を重ねながら動かし続け、今も高い処理水準を保っている。これは当たり前のことではありません。
ただし、それを実際に支えているのは設備そのものだけではありません。
この水準を支えているのは、現場の運転員一人ひとりの頭の中にある「勘所」です。 そしてこちらの水準は、設備以上に高いにもかかわらず、ほぼ完全に属人化しています。誰かが異動し、退職すれば、その知恵はそのまま失われます。書き残す仕組みが、これまで存在しなかったからです。
そのとき最も価値のある材料は、結局、今この瞬間も日本の維持管理会社の現場に蓄積され続けているこの知見そのものです。その入力データを、一番よく持っているのは私たちです。
にもかかわらず、この知見は今、機場ごと・会社ごとに縦割りのまま眠っています。
この場は、その縦割りを崩すために作りました。
機場の中であれば、先輩から後輩への継承はこれまでも行われてきました。しかし機場をまたいで他の現場の知見を聞けることは、特に若い技術者にとって、これまでなかった大きな助けになるはずです。
だからこそお願いしたいことがあります。
ベテランの方ほど、あえて初歩的な内容を書いてください。 それは恥ずかしいことではなく、若手が実際に求めている知識です。誰かが最初に書けば、その後は書きやすくなります。他の人の投稿を軽んじないこと、後輩の質問を先輩が遮らないこと——これだけは、この場が続くための最低限の約束として守ってください。
この積み重ねは、いずれ一企業・一業界の利益を超えて、日本のインフラを支える力そのものになると考えています。これは個人的な考えですが、設備と現場の知見という組み合わせを、実際に機能する形でデータベース化・アプリケーション化できる立場にあることは、上下水道に限らず、今の日本に残された数少ない強みの一つだと思っています。
これは、誰のためのものか
現場で実際に処理場を動かしている、運転員の皆様のためのものです。ここにあるのは、現場の技術者どうしの、対等なやり取りだけです。投稿の量を競わせることも、書くことを強制することもしません。
ここに入れるのは、実際に処理場を動かしている方だけです。 メーカーの方も、発注者である自治体の方も、お入りいただけません。広告収入のために業者を参入させることもしません。
なぜそこまでするのか。技術を売る立場の方が読んでいる場所では、機器の率直な評価は書けないからです。評価する側が見ている場所では、うまくいかなかったことは書けないからです。 どちらも、この場でいちばん価値のあるものです。
現場の方どうしだけの場所であること。それが、ここで率直に書ける唯一の理由です。入れない相手を決めることは、書ける内容を守ることと同じです。
上下も作りません。自治体や関係機関の方が、いずれこの場を見る日が来るかもしれません。そのときも、できるのは質問することと、その答えを読むことだけです。投稿を読むことはできません。特定の機場を名指しして問うことはできませんし、答えるかどうかは皆様が決めることです。指示や命令の経路として使われることがあれば、運営者として直ちに止めます。
何を書いていいのか
水処理の技術に関わることなら、基本的に何でも構いません。他社の設備への率直な評価も、現場の裁量の実態も、それは不満ではなく貴重な知見です。
書かないでほしいのは、たった4つだけです。個人の名前、パスワードなどの認証情報、設備の弱点そのもの、そして契約金額。それ以外は、自由に書いてください。
薬品の注入率や電力の原単位といった、コストに関わる話も書いて構いません。委託の金額そのものは別ですが、運転の中身については、隠していただく必要はないと考えています。
そして、うまくいかなかったことこそ書いてください。試したが変わらなかった、かえって悪くなった。機場ごとに水も設備も違うのですから、同じ手が同じように効かないのは当たり前です。その記録は、次に同じところで悩む人にとって、成功した話と同じくらい役に立ちます。
書き切ってから出す必要もありません。迷ったら書かずに置いて、あとから足してください。
なぜ確認の仕組みがあるのか
書く前の確認や、AIによる診断、「気づき共有」といった仕組みは、運転員の皆様を疑うためにあるのではありません。この場を、みんなが安心して書き続けられる場所として保つための、ただそれだけの理由で存在します。
誰が「気づき共有」を押したかは、運営している私にも分かりません。何かを削除したときは、必ず理由を添えて本人に伝えます。
最後に
個人でこの場を作り、運営しています。書く前の確認画面やAIによる診断など、安心して書ける場を保つための仕組みを用意し、それを運用する責任は私が負います。
運転員の皆様にお願いしたいのは、投稿する前に、その内容が自社の契約に照らして問題ないかを一度確認していただくことだけです。真剣に確認していただいている限り、その先の判断はこちらで引き受けます。この場を一緒に育てるという、それだけをお願いします。
この3つは一体のものです。宣言文がなぜこの場があるのかを、 利用規約が権利と義務を、投稿ガイドラインが何を書いてよいかを定めています。 内容が食い違う場合は、利用規約の定めが優先します(利用規約 第3条2項)。